漫画「セクシー田中さん」の作者である芦原妃名子さんが、ドラマ版「セクシー田中さん」の制作サイドとのトラブルについて告発する声明を発表し、その直後に亡くなるという、非常に衝撃的な事件がありました。
『セクシー田中さん』漫画原作者の芦原妃名子氏がXで異例の声明 日テレの改変に苦言
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12268-2758534/
私は漫画を全く見ておらず、ドラマもたまにチラ見する程度だったので、原作者が9、10話の脚本を書いたというのを知っても、「そんなこともあるんだな」というくらいしか感じませんでした。
芦原さんが、なぜこの声明を発表したのかはわかりませんが、脚本家Aさんが12月に上げたインスタの内容(9、10話を書けなかったことに対する不満を述べていた)に対する反論と見る向きもあります。
ただ、私個人としては、そのインスタに対する反論であれば、脚本家Aさんに直接言うのかなと思うので、「9、10話が面白くなかった」という一部視聴者に対しての説明、またドラマを制作した日本テレビの制作陣全体に対する不満が原因なのかなと思います。もはや御本人に真意を聞くことはできず、これはただ憶測です。
芦原さんがドラマ化を承諾した条件は、「原作に忠実に」「漫画の未完部分は作者が書いた内容をそのまま使用してほしい」といった内容で、御本人も無理がある条件であると分かっていたので、本当に大丈夫なのか何度も確認した上で、承諾したそうです。しかし、繰り返し原作と異なる脚本が提示され、かなり疲弊したということを書かれていました。
また、9、10話については、時間がないなか脚本を書くことになり、満足の行く出来でなかったという内容が綴られていました。
この声明が発表された後、脚本家Aさんに対する批判がSNSで相次ぎ、中にAさんや、Aさんの知人のインスタ誹謗中傷を書く人も現れたようです。
そして芦原さんは、声明を削除し、突然亡くなってしまうという最悪の結果となりました。
漫画をドラマ化するにあたり、脚本が原作から変わるというのは致し方がないことだと思います。
尺の都合、演者の都合もあるし、過激な表現は放送できない等の事情もあるでしょう。
しかし、原作から変えないことが、ドラマ化の条件とおっしゃっているのなら、「その条件ではできない」と言うべきだったと思います。残念だけどドラマ化を見送るという判断あったと思います。
原作者と脚本家との間には、何人も間に人が入っているので、どの段階で、その意向が伝わらなかったのか、あるいは伝わっていたけど無視していたのかは分かりません。
もうドラマは放映され、原作者も亡くなってしまい、取り返しのつかないことになってしまいました。
こうなる前に、原作者サイドと制作者サイドで話し合うことはできなかったのかなと思います。
今、脚本家に対する批判が止まらない状態ですが、脚本家にどこまで情報が伝わっていたか分からない状況では、過度な批判は控えるべきだと思います。
脚本家も表に出る仕事をしている以上は、「原作通りにして欲しかった」とか、「このインスタでの発言は失礼だと思う」とか、ある程度の批判や厳しい意見が出ることは仕方がないと思うし、それが健全だと思うのですが、中には「人◯し」とか「もう二度と表に出るな」とか、そこまで言うのかと言う人もいます。
もはや、暴言を言っても非難されない相手を見つけたから言っているだけではありませんか?と思います。
日本テレビには、というかテレビ局も映画制作者も今後、このようなことがないように、原作者の意図しない方向で制作されることがないようにして欲しいです。
映像化の条件を十分に説明し、傷つく人が生まれないように願います。